特集記事

お知らせ・特集記事一覧

R.シューマン:交響曲第1番 変ロ長調『春』

2023.5.31

長く続いたコロナ禍を抜け、日本でもようやく演奏会を楽しめる「春」が訪れた。この交響曲『春』も、結婚を反対する親との法廷闘争の末に、ようやくピアニストであった妻クララと結婚できたシューマンが、結婚からまもない1841年に、……

「我が祖国」全曲解説 -7 第6曲 「ブラニーク」

2023.5.19

前曲に引き続きフス教徒、チェコ民族の戦いを描いた曲です。ブラニークとはボヘミア中部と南部の境界にある深い森に覆われた山の名前です。伝説によれば、10世紀前半に外敵からチェコ民族を守るために戦ったチェコ王ヴァーツラフ一世と彼に率いられた兵士たちがこの山に眠っているといいます。スメタナは民族守護の聖人がまつられたこの山を、フス教徒たちの霊地に見立ててこの交響詩を作曲したのです。

「我が祖国」全曲解説 -6 第5曲 「ターボル」

2023.5.18

~この曲はフス党の戦いの讃歌 「汝ら、神の戦士らよ」によって作られている。この歌はフス党の栄光と不屈の戦いを表現している~
この曲と次のブラニークは,宗教戦争時代のフス教徒の英雄的な戦いを称えたものです。ターボルというのは、15世紀の宗教改革者ヤン・フスの志を継ぐ人々の拠点となった、ボヘミア南部の町の名前です。

「我が祖国」全曲解説 -5 第4曲 「ボヘミアの森と草原から」

2023.5.17

この曲は「誰でも自由に解釈できる曲」です。一人一人が思い思いの風景に浸りながらゆったりと聞くことができる、間奏曲的な存在とも言えるかもしれません。
曲は3つのパートに分かれ、それぞれボヘミアでの「平原の風景」「森の風景」「農民の営み」を描いています。

「我が祖国」全曲解説 -4 第3曲 「シャールカ」

2023.5.16

~恋人に裏切られたシャールカは全男性に復讐を誓う。シャールカはわざと木に縛り付けられ、敵のツティラト騎士の助けを乞う。ツティラトがシャールカに気を取られている間に、男性軍は全員酔いつぶれさせられる。合図とともに女性たちが現れ、男性兵士を虐殺してしまう。~

※スメタナが曲を出版する際に出版社に宛てた手紙の一節より

「我が祖国」全曲解説 -3 第2曲 「ヴルタヴァ」(モルダウ)

2023.5.15

「我が祖国」の中で、いやスメタナの作品の中で最も有名で親しまれている曲であることは言うまでもないでしょう。ヴルタヴァというのはチェコ南部の森に源流を発して北へ向かい、プラハ市中を流れてエルベ河に合流する大河です。「モルダウ」というのは実はドイツ語で、最近ではチェコ語の「ヴルタヴァ」という表記も積極的に使われています。

「我が祖国」全曲解説 -2 第1曲 「ヴィシェフラフト」(高い城)

2023.5.14

ヴィシェフラフトとはチェコのモルダウ川沿いにそびえる岩山のことです。古代の伝説によると、前述した歌劇「リブジェ」のモティーフにもなったチェコ建国の女神リブジェと彼女の夫プシュエミスルの王朝の玉座のあった場所でもあります。チェコ民族の国家の建国の聖地であり、現在この高台には国家に功労のあった人々の墓地があります。

スメタナ / 連作交響詩「我が祖国」全曲解説 -1 概要

2023.5.12

さて、本日5月12日は、実はスメタナの命日です。この日は毎年、チェコ最大の音楽祭である「プラハの春」の初日となっており、必ずスメタナの「我が祖国」の全6曲が最初に演奏されています。

連作交響詩「我が祖国」は1883年、スメタナが59歳の時に発表された作品で、自身の出身であるボヘミア(チェコ)の郷土色豊かな6つの交響詩をまとめたものです。

横田信武先生がご逝去されました

2023.5.11

当楽団団友(元顧問)の横田信武先生が、5月1日、ご逝去されました。(享年77) 横田先生は、当楽団の顧問として、長きにわたり学生の活動を支え、当楽団の発展にご尽力くださいました。 横田先生のご功績に改めて感謝いたしますと……

≪予告≫スメタナ「我が祖国」全曲解説

2023.5.10

お久しぶりです!約2年半ぶりの特集記事になります。本当にお待たせいたしましたが、今年度は積極的に投稿して行く予定ですのでぜひご期待ください。   さて、コロナ禍も明けた2023年の特集記事第一弾は、なんとスメタ……

ルドルフ・ワインスハイマー氏がご逝去されました

2023.4.14

当楽団桂冠名誉顧問のルドルフ・ワインスハイマー氏が、現地時間4月12日、ご逝去されました(享年92)。 ワインスハイマー氏は、1978年から1984年まで、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の楽団員代表を務められました。……

西原春夫先生がご逝去されました

2023.1.28

当楽団名誉会長の西原春夫先生(早稲田大学元総長)が1月26日、ご逝去されました(享年94)。
1990年からは名誉会長として、長きにわたり学生の活動を支え、当楽団の発展にご尽力くださいました。
西原先生のご功績に改めて感謝いたしますとともに、謹んでお悔やみ申し上げます。

お問い合わせ先変更のお知らせ

2022.4.29

⽇頃より当楽団へ温かいご⽀援、ご協⼒をいただき、誠にありがとうございます。この度、当楽団のメールアドレスが変更となりました。既にご登録されている皆様にはお⼿数をおかけいたしますが、メールアドレスの変更をよろしくお願いいたします。誠に恐縮ではございますが、5⽉より旧アドレスは受信不可能となります。お問い合わせの際は、何卒お気をつけください。

ワーグナー/楽劇「トリスタンとイゾルデ」

2020.12.8

我々が生きる世界には、色々なかたちの「愛」があります。そしてそれを題材とした芸術作品は、これまでに星の数ほど生まれてきました。リヒャルト・ワーグナーによって作曲された楽劇「トリスタンとイゾルデ」もまた「愛」をテーマとした……

チャイコフスキー/交響曲第4番

2020.12.7

1878年に作曲されたこの作品は、チャイコフスキー4番目の交響曲です。この作品はチャイコフスキーの後期交響曲の始まりであるとともに、全7作ある交響曲の中で最も情動的な作品です。それもそのはずで、内実としては、チャイコフス……

ワーグナー/楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」

2020.10.16

食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋……。皆様はどのような秋をお過ごしでしょうか。 今回は「芸術の秋」にちなんで、ある楽劇(オペラ)を紹介したいと思います。 オペラというと、言語の壁がある、気軽に鑑賞できない、身近でない、と……

ベートーヴェン/交響曲第1番ハ長調作品21

2020.10.14

交響曲第1番は1799年に作曲され、1800年にウィーンで初演されました。この演奏会にはモーツァルトの交響曲やハイドンのオラトリオからの抜粋、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番や7重奏曲などが同時にプログラミングされてお……

ワセオケ クラシック風説書:vol.11

2020.5.27

ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番ト長調作品58 こんなご時世で聴きたくなるのはどんな曲でしょうか。厭世的なマーラーの第9番でしょうか。作曲家宜しくの政権批判をしたければショスタコーヴィッチもいいでしょう。でも、人との会……

ワセオケ クラシック風説書:vol.10

2020.5.18

ベートーヴェン/ミサ・ソレムニス(盛儀ミサ曲)ニ長調作品123 皆様、新型コロナウイルス予防に伴う自粛期間、いかがお過ごしでしょうか。私は日々を無益に溶かし続けています。いざ毎日家から出ないとなると結局何をする気も起こら……

ワセオケ クラシック風説書:vol.9

2020.5.14

ベートーヴェン/交響曲第9番ニ短調作品125 年末年始に必ずと言っていいほど演奏され、最も有名な部分は「歓喜の歌」として音楽の教科書に載るほどのこの作品。日本人にとって最もなじみ深いクラシック音楽と言っても過言ではないで……

ワセオケ クラシック風説書:vol.8

2020.5.9

ベートーヴェン/交響曲第8番ヘ長調作品93 肖像画ではムッとした顔をしているベートーヴェンですが、この曲から感じる表情は「笑顔」です。1812年に7番と一緒に作曲されたこの曲は、全楽章を通じて明るさや軽快さを強く押し出し……

ワセオケ クラシック風説書:vol.7

2020.5.5

ベートーヴェン/交響曲第7番イ長調作品92 ベートーヴェンの交響曲といえば何番でしょう。第5番「運命」、第6番「田園」、そして第9番「合唱付き」……前後の交響曲が有名すぎるけれど、その間の交響曲第7番を忘れてもらっちゃあ……

ワセオケ クラシック風説書:vol.6

2020.5.1

ベートーヴェン/交響曲第6番ヘ長調作品68『田園』 こうも家から全く出られないとなると自然が恋しくなります。街中に住んでいるとそれは最早「渇望」です。ああ田舎に行きたい。いや来てくれるな、Stay Homeだ…分かってい……

ワセオケ クラシック風説書:vol.5

2020.4.24

ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調作品67 ダダダダーンという悲劇を象徴するような音形。誰でも耳にしたことあるようなこの音形で始まるのがこのベートーヴェンの交響曲第5番です。一般には「運命」という愛称でも知られており、そ……

ワセオケ クラシック風説書:vol.4

2020.4.22

ベートーヴェン/交響曲第4番変ロ長調作品60 世にも有名な第3番『英雄』と第5番『運命』に挟まれた交響曲第4番の知名度はあまり高くないと思われます。しかし、よく考えてみればこの歴史的な2曲と同時期に作曲された第4番もまた……

ワセオケ クラシック風説書:vol.3

2020.4.20

  ベートーヴェン/交響曲第3番変ホ長調作品55『英雄』 この交響曲は、誰もが知る偉人ナポレオンとの関係が深い作品として知られています。 ベートーヴェンは1789年のフランス革命にたいへん熱狂しました。封建社会……

ワセオケ クラシック風説書:vol.2

2020.4.12

ベートーヴェン/交響曲第2番ニ長調作品36 1802年春から、ベートーヴェンはかの有名な「ハイリゲンシュタットの遺書」で知られるハイリゲンシュタットにて静養に努めていました。この交響曲第2番は難聴が進行し、この「遺書」を……

ワセオケ クラシック風説書:vol.1

2020.4.10

ベートーヴェン/交響曲第1番ハ長調作品21 ベートーヴェンは、交響曲というジャンルを生涯を通して最重視しました。ハイドンは104、モーツァルトは41の交響曲を書きましたがベートーヴェンは9つしか残していません。1つひとつ……

グスタフ・マーラー

2020.2.5

グスタフ・マーラーのその⽣涯を表す⾔葉として、「私は三重の意味で故郷がない⼈間だ。オーストリア⼈の間ではボヘミア⼈、ドイツ⼈の間ではオーストリア⼈、そして全世界の国⺠の間ではユダヤ⼈として」という⾔葉があります。 幼少期……

マーラー/交響曲第1番『巨人』

2020.1.27

概要 交響曲第1番ニ⻑調は、1884年から1888年にかけて作曲されたマーラーの最初の交響曲です。改訂魔のマーラーらしく数々の改訂が施され、最終稿に⾄るまで10年ほどかかっています。マーラーは主に歌曲と交響曲の分野で活躍……

R.シュトラウス/交響詩「ドン・ファン」

2020.1.16

交響詩『ドン・ファン』op.20は1888年に作曲されたR.シュトラウスの2作目の交響詩です。彼が24歳の時の出世作で、これを足がかりにさらに5作の交響詩を書き、やがてオペラの世界へと進むことになります。なお作品番号としては交響詩『マクベス』op.23より前なのですが、これはのちに彼が『マクベス』を改訂したためであり、作曲順としては『マクベス』が1番目、『ドン・ファン』が2番目となります。

ヨハン・シュトラウス2世「こうもり」

2019.12.21

概要 『こうもり』(独: Die Fledermaus) は、ヨハン・シュトラウス2世が1874年に作曲したオペレッタです。初演は同年、ウィーンのアン・デア・ウィーン劇場で行われました。ちなみに同劇場での初演作品はベート……

公式HPリニューアル!

2019.12.2

この度、2020年3月21日(土)に行われる第206回定期演奏会の情報公開に伴い、当楽団の公式HPをリニューアルいたしました。より多くの方々に当楽団のことをより分かりやすく、より魅力的に、そしてより便利に知っていただきた……