ワセオケ クラシック風説書:vol.8
ベートーヴェン/交響曲第8番ヘ長調作品93
微笑みのベートーヴェン⁈
肖像画ではムッとした顔をしているベートーヴェンですが、この曲から感じる表情は「笑顔」です。1812年に7番と一緒に作曲されたこの曲は、全楽章を通じて明るさや軽快さを強く押し出しており、彼が聴力を失った悲しみを乗り越え、人生を謳歌していたことを伺わせてくれます。
壮年期のベートーヴェン
凝縮された個性
そんな8番は、25分という非常に短い演奏時間に、彼のオンリーワンがぎゅっと凝縮されているのが特徴です。古典の形式で作られつつもrit.を巧みに使ってロマン派の色香を出してみたり、緩徐楽章を期待した聴衆をびっくりさせたり、初めて本格的な「メヌエット」を導入したりと、非常に攻めている!ベートーヴェン自身も、作曲した交響曲の中で8番が一番お気に入りだったと言われています。
おすすめ音源
お勧めの録音を載せておきます。さあ、あなたもベートーヴェンの意外な素顔を覗いてみませんか??
ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 (1971)抜粋
https://www.youtube.com/watch?v=jXS28OEdN7E
ヘルベルト・ブロムシュテット/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(2014)
https://open.spotify.com/album/6M8DHwEoIu0vcsmnpyRalL
https://music.apple.com/sg/album/beethoven-the-complete-symphonies/1462335620
(トラック番号30-33)
(Cb.4 上條隼)