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ワセオケ クラシック風説書:vol.11
ベートーヴェンピアノ協奏曲第4番ト長調作品58
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ワセオケ クラシック風説書:vol.11

ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番ト長調作品58

こんなご時世で聴きたくなるのはどんな曲でしょうか。厭世的なマーラーの第9番でしょうか。作曲家宜しくの政権批判をしたければショスタコーヴィッチもいいでしょう。でも、人との会話も減っているこんな日常では、温かく対話的なピアノ協奏曲を聴くことをこの記事では勧めたいと思います。

 

ピアノを弾きながら作曲するベートーヴェン

「対話」のピアノ協奏曲

柔らかく静かな音色でピアノが歌い始めると、それに応えるようにオーケストラが演奏し始める。これがこの曲、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番の冒頭ですが、実はこの冒頭は当時としては斬新な試みでした。それまでのピアノ協奏曲ではオーケストラの演奏から始まるのが常識であったのです。第4番以前の協奏曲において、オーケストラはあくまでも伴奏でした。だからこそ、独奏楽器たるピアノはオーケストラの前座の後に華々しく登場するのが常でした。そういう点では、ピアノの第一声が柔らかい囁きである点も画期的と言えましょう。その後もピアノとオーケストラの対話は続きます。森の中で自然とピアノとが一体になって、お互いに対話をしているような、そんな世界が浮かんでくるようです。

「対話」や「一体」という観点で見るとき、特に印象深く美しいのが第2楽章です。厳しく重苦しい弦楽合奏が叩きつけられると、それに応えるのは静かで瞑想的なピアノです。この両者の対比はいよいよ美しく、印象的です。厳格で重い世界を提示するオーケストラと即興的で柔らかいピアノは静かに対話を続けます。もはやオーケストラは伴奏では決してなく、ピアノは「独」奏ではあり得ません。ベートーヴェンはこの曲で、オーケストラとピアノの融合という革新的な試みをこんなにも画期的に、そして美しく成し遂げてしまったのです。

長い眠りから覚めたように、再び爽やかに歌い出す第3楽章でも、ピアノとオーケストラの対話は小気味よく展開されます。カデンツァの後にコーダがついて、ベートーヴェンの他のピアノ協奏曲よろしく、華々しくフィナーレを迎えて曲は終わります。

おすすめ音源

最後におすすめする音源を載せておきます。件のウィルスで疲れた心を癒してくれるような、優しいベートヴェンの曲をぜひ聴いてみてください。

マレイ・ペライア独奏 ズービン・メータ指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 (抜粋)(2009年)

ルドルフ・ブッフビンダー独奏/指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(2013年)

Spotify:

Apple music:

https://music.apple.com/jp/album/beethoven-the-piano-concertos/716563326

(Va.3 及川凌)

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